2022年11月24日木曜日

金勝寺山の秋

 金勝寺は733年聖武天皇の勅願で平城京の鬼門を守る寺として建立され

大菩提寺と称されました。8世紀中ごろには25別院を総括する興福寺の山岳道場として

金勝山の全山に大小の伽藍が建立され、栄えていました。

しかし、天文年間の火災で全山灰燼に帰してしまい、元禄年間に再建されたものの

仮堂のままで、明治になってからは無禄の寺となったようです。

古寺の佇まいで、苔むした境内は紅葉も華やかさはなく、侘び寂び、幽玄の世界を

感じられます。奈良から信楽を経て、

大鳥居からの旧参道沿いには樹齢

800余年の良弁杉や震岩(ゆるぎ

いわ)伝説のある大石が残っており、

近隣の山中には多くの石仏や末寺、

往時の寺院跡が残っていました。

山頂に近い馬頭観音堂のある

横ヶ峰展望所に登ると栗東市の

向こうに琵琶湖、比良山系が

遠望され北方には三上山が見下ろす

ように遠望されます。

走井林道を下山すると、ここでは

紅葉林が秋の日差しを一杯浴びて

色鮮やかに輝いていました。(ふ)