下之郷遺跡は守山市の中心部にあり、史跡公園、環濠保存施設が
設置されている。
ここには2200年前の弥生時代中期に3重~9重の堀と土塁、柵で囲まれた
環濠集落の遺構が発掘されている。
堀の中からは破損した武器やたくさんの矢じりなどが出土し、ここを巡って
激しい戦闘が行われたことを示している。
壕の中には住居はなく、掘立柱建物や壁立式建物など集落の重要施設、
倉庫群が立てられていたらしい。
稲作が伝来して以来、不作や飢饉のときなどは備蓄された食料などを
めぐって、隣接する集落を襲撃する、されるようになっていったのだろう。
食料が少し安定的に確保できるようになった途端、新たな不安定な状況が
生まれていたようだ。
この集落も弥生時代後期になると使われなくなって、より大規模な
「クニ」に取り込まれ、平定されていく過程があったことを示している。
身近な足元にこのような歴史が刻まれ、残っていることを
改めて実感しました。(ふ)