原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域、アフリカ北部まで広がり、原種は30種類ほど知られています。日本においては、ニホンズイセンが古くに中国を経由して渡来したといわれています。分布は、本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られます。越前海岸の群落が有名であり、福井県の県花ともなっています。
松尾芭蕉
「其のにほひ 桃より白し 水仙花」
「初雪や 水仙の葉の たはむまで」
「水仙や 白き障子の とも映り」
与謝蕪村
「水仙や 寒き都の ここかしこ」
河合智月(かわいちげつ)
「水仙の 花の高さの 日影かな」
「水仙の 香やこぼれても 雪の上」
高浜虚子
仏壇に水仙活けし冬至かな
水仙を霙のひまに切にけり
日についでめぐれる月や水仙花
正岡子規
水仙にさはらぬ雲の高さ哉
筆洗の水こぼしけり水仙花
久保田万太郎
ゆく年の入日水仙ばたけかな
中村汀女
水仙や束ねし花のそむきあひ
吉川英治
海明り障子のうちの水仙花